祝!ブログ開設記念 最終日の今日は“バートン グリップ”解説 2006/3/24掲載
毎週金曜日はVibraphoneやMarimbaをやっている人向けのお話し。金曜第一回目の今日はいままで掲示板で何度も論議されたグリップの話しです。
僕らのようなバチを何本も持って演奏する奏者の事をマレット・キーボーディストと呼びますがマレット(Mallets)を片手に2本ずつ持ってポロンポロンやるには、このバチの持ち方にひと工夫あるものです。
ここからはちょっと専門的になりますが、片手に2本のバチを握るには流派があって、大別すると次の3つがあります。
(1)トラディショナル グリップ(叉はスタンダード グリップとも)
(2)バートン グリップ
(3)ムッサー グリップ(叉は亜種にスティーブンス グリップなど)
それぞれにメリットとデメリットがあり使い分けは個人の好みというもので自由です。13歳の時にこの楽器(vibraphone)を触った瞬間から僕はバートン グリップなので他のグリップに言及しませんが、大まかに
(1)は左右1本ずつで演奏していた人が和音を弾く為に各々の外側にマレットを足した形の発展型
(2)は僕の師匠ゲイリー バートン(Gary Burton)氏が始めた持ち方で(1)とは手の中で重ねるマレットの上下が反転
(3)は片手2本ずつをほぼ平行の形で持つ形
(1)以外は全て人名が付いているように近年の演奏者が「握り方」を発展させています。
で、今日のお話しはバートン グリップの事です。
ホームページやBBSで何度も取り上げていますが、ネットユーザー、リスナーの人から「バートン グリップは手の中で重ねたマレットが振動してグリップノイズが出やすくないですか」という質問。
答えは「ありません」
人それぞれに体格が異なるように、グリップに関わる手の大きさや、手のひらの厚さ、指の長さや腕の長さというものが違います。その違いが音色の個性を生む大切な要因なので選択したグリップを自分の体格に合わせて改良しながら身に付ける事が重要。
確かに13歳の時にこの握り方を始めた当初は多少のグリップノイズがありましたが、それはすぐに改良すれば無くなりました。
文章での説明ではなかなか理解出来なかったと思うので、ブログ開設記念に公開します。(と、言ってもグリップに商標はありません)
まずはバートン グリップってこうよ 右手。これは下側から見たところ(左はこの逆)
メロディーに使うのは写真で言うと「あっち」側。それが上に重なってます
見えやすいように手前の親指立てちゃいました
・・・・・で、このままでは僕の手の大きさではグリップノイズが出ます・・・・・
そこで少し改良が必要になりました。
“バートン グリップ 赤松バージョン” (特許出願中 ← うそ)
そこで、題して“バートン グリップ 赤松バージョン” (特許出願中 ← うそ)
薬指を少し立て気味にして外側(上側)のマレットを軽く押し上げます。 あ、さっきから親指は立ったままですがこれは見やすい為の特別大サービス
ちょっと角度を変えると手の中でマレットが重なってないのがわかるでしょ
はい、出来上り!
ちょうど僕ぐらいの手の大きさ、厚さの人にはお薦めです。
何だか細かいコトゆーブログだなぁ、と思う方もいるでしょうねぇ(笑)
下はバートン グリップとトラディショナル グリップの例。遠目じゃほとんど同じに見えますが、「手の中は・・・・」こんな感じ。
左から あかまつ/vib(バートン グリップ) 松島美紀/marimba(トラディショナル グリップ) @ 銀座ヤマハライブ
金曜日はこのようにちょっとホームページで説明が難しい事や掲示板の投稿質問等で画像解説に適した事について話題と共に不定期で触れて行きます。新たな質問はこちらへ、、、(現在は受付終了しています)
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